2014年に制作されたドラマ。
原作は池井戸潤の経済小説。
前年に大ヒットした「半沢直樹」も彼の小説が原作でしたね。
共通している出演者は、ほぼ同じ役回りで、香川 照之。
まあ、気合の入った演技で、「君は540度、あの会社を見誤ったんだよ!」
なんて、やってましたが、僕の所感では、この方の演技は力が入りすぎ。
ああいう曲者の大物を演じるのに、彼をオファーする側は、あの演技を要求するのでしょうが、ちょっと大芝居過ぎて、私としましてはやや食傷気味。
もっと淡々と演じてくれる方が、実はリアルなんだけどね。
黒沢明監督の「悪い奴ほどよく眠る」で大物政治家を演じた森雅之なんて、同じような役でしたが。
実に物静かで淡々としてましたよ。
それでいて、存在感はきちんと表現していましたからさすがの流石。
彼が名優といわれる由縁です。
なんでも、気合を入れた熱演が、よい演技というものではない。
そんなことは、香川さんなら、百も承知でしょうが、「半沢直樹」も本作品も、残念ながら、ちょっと大芝居すぎました。
さて、池井戸潤の原作は、つい先日「空飛ぶタイヤ」を見たばかり。
このブログでも紹介いたしました。
「空飛ぶタイヤ」は、WOWOWの制作でしたが、こちらのドラマはTBS制作。
やはりこういう素材を扱う際の、温度差は微妙にあるようです。
まず、ドラマツルギーの問題がありますね。
WOWOWには、当然コマーシャルはありません。
ですから、演出はじっくりと、順を追って、淡々粛々とつないでいけばよろしい。
しかし、TBSは民放。
コマーシャルの間に、チャンネルを変えられないように、コマーシャル前後に、いろいろな仕掛けをしてきます。
真実を見せるのは、寸止めして、コマーシャル明けまでお預け。
そんなテレビ事情を受けた演出がどうにも目について、比較しますとやはり、WOWOWドラマに軍配を上げてしまいます。
TBSの日曜劇場枠は、どうやらこの唐沢寿明がお好きなようですね。
バカ当たりの視聴率は取れないけれど、そこそこの数字は稼いでくれる安心感でしょうか。
前年の「半沢直樹」がバカうけしすぎましたから、あそこまでは期待していなかったでしょうが。
ルーズヴェルト・ゲームといえば、今年のセリーグのクライマックス・シリーズがまさにルーズヴルト・ゲームでしたね。
広島がDeNAの猛追を振り切り、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた試合のスコアが、まさに8-7。
初回大量6点を取って楽勝ムードだったものが、DeNAにジリジリと追い上げられ、最後はギリギリ逃げ切ったという展開でした。
実は、野球好きだったルーズヴェルト大統領が「面白い」といったのは、取りつ取られつの展開の8-7。
野球のゲームもドラマといえばドラマ。
これで最後逆転して勝てば、ドラマツルギー的には大盛り上がり視聴率ゲットだったでしょう。
日本シリーズもその勢いで制覇だったかもしれません。
しかし、残念ながら辛勝のルーズヴルト・ゲームだったゆえかどうか、本年度の日本シリーズを制したのは広島ではなく日本ハム。
いずれにしろ、見ている方にとっては面白いルーズヴルト・ゲーム
やっている方の身になってみれば、精も根も尽き果てるのだということはお忘れなく。