原作は池井戸潤の経済小説。
これを2009年にWOWOWが、「ドラマW」枠でドラマ化したもの。
WOWOWは、もう30年近く会員ですが、もっぱら映画録画専門で、WOWOWが製作したドラマはまだ一度も見たことがありませんでした。
それを、テレビ放送でもなく、WOWOWオンデマンドではなく、amazone プライムビデオで見たというのがミソ。
ドラマは、キャスティングも含め、しっかり作りこまれていてビックリしました。
民放局ではないので、コマーシャルによる中断はなく、NHKのドラマを見ているようなドッシリとした安定感がありました。
WOWOWのドラマ、いままでどこかで゜なめてましたね。
大型トラックの脱輪事故や、リコール隠しは、ご存知の通り、三菱自動車で実際にあった事故や事件。
こういう素材で民放で扱おうとすると、スポンサーの影響を受けて、まず思い通りには作れないもの。
なるほど、この素材をここまで突っ込んでドラマ化出来るのは、実は、WOWOWしかないということです。
主演は、事故の真実に立ち向かう運送会社の二代目社長に仲村トオル。
大手自動車メーカーの中で、この不正に挑み内部告発をする中堅幹部に、田辺誠一。
物流業界は、僕自身の日常でもあり、このドラマは、メルヘンだろうと思いつつも、思わず引き込まれてしまいました。
気が付けば、涙がボロボロで止まらない有様。
事故後、仲村トオルが電話に取るシーンは、毎回可愛そうなくらいにいつもこのセリフ。
「ええ! どうしてそんなことになるんですか?」
その「勘弁してくださいよ。」という顔が、この役者は実にリアルでおもわず感情移入してしまいました。
事件を担当していた刑事があの強面の遠藤憲一。
彼が夜遅く若社長宅を訪問し、内部告発により、大手自動車会社の不正が証明。運送会社には一点の非もなかったことを報告に来るシーン。
「度重なる今までの無礼をお許しください。」といって、刑事は深々と頭を下げます。
ここはもう涙腺全開。
万策尽きて倒産も覚悟した若社長は、この一言で、喜ぶ家族の前で腰を抜かします。
ここまでの彼と運送会社の努力を、ドラマが丁寧に描いていた分、ここは感動的なシーンになりました。
「最後に正義は勝つ」は、実社会では青臭いかもしれませんが、せめてドラマの中くらいは、それでよしとしたいもの。
このドラマは、わが社の社長にもしっかりと推薦しておきました。